AIはスクールで学ぶ必要ない？独学で十分？メリット・デメリットを解説

AI技術が進化し、日常生活からビジネスまで幅広い分野で活用されつつあります。それに伴い、AIを学びたいと思う人も増えています。しかし、いざ学習を始めようとすると、迷うのが「独学」か「スクール」かという選択です。

独学はコストが抑えられる反面、「何から始めればいいかわからない」「途中で挫折してしまう」といった悩みを抱えることも。一方でスクールは、効率的に学べる環境が整っていますが、高額な費用がネックになることも少なくありません。

そこで本記事では、独学とスクール、それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。

AIを独学するメリット・デメリット　

独学は低コストで始められ、自分のペースで進められるなどのメリットがある一方、デメリットもあります。

AIを独学するメリット

• 低コストで始められる
  無料のオンライン教材、YouTube、オープンソースのリソースなど、独学には手軽にアクセスできる素材がたくさんあります。特に、JMOOCsでは、大学講師陣および企業が提供する質の高い講義を無料で受講できます。
  　
• 自分のペースで学べる
  スクールのように決まったスケジュールに縛られることがなく、仕事や家庭の都合に合わせて学習できます。好きな時間に学べる自由があります。
  　
• 自走力が身につく
  必要な情報を自分で調べる過程そのものがスキルアップにつながります。検索や資料の読み込みなどを通じて、問題解決力が自然と鍛えられます。

AIを独学するデメリット

• 何を学ぶか迷いやすい
  AIはプログラミング言語やライブラリ、コンピューターサイエンスなど様々なことを学ぶ必要があります。
  
  そのため「どこから手をつけるべきか」「どの教材を選べばいいのか」で悩みやすく、特にプログラミング未経験者はスタートラインに立つまでに時間を要するでしょう。
  　
• 挫折しやすい
  疑問点を解決できない、あるいは多くの時間をかけてしまうと、モチベーションの低下につながります。また、独学は孤独になりがちで、途中で挫折してしまう可能性が高いです。
  　
• 実務的なスキルが身につきにくい
  独学では実際のプロジェクトで必要なスキルやノウハウを学ぶ機会（チーム開発など）がありません。そのため、学んだ内容が実務で通用しない可能性があります。

AIをスクールで学ぶメリット・デメリット

独学に比べて、AIスクールには学習環境が整っており、効率的に学べるメリットがあります。一方で、高額な費用などのデメリットもあります。ここでは、スクールを利用する場合のメリットとデメリットを見てみましょう。

AIをスクールで学ぶメリット

• 効率的に学習できる
  スクールでは、プロが設計した体系的なカリキュラムが用意されています。「何を学べばいいのか」を迷う必要がなく、必要なスキルを順序立てて効率よく習得できます。
  
  また、実務に即した内容が含まれているため、学んだ内容が実践で活かせるのも大きな魅力です。
  　
• 質問できる環境が整っている
  挫折する原因の一つが「疑問を解決できないこと」です。スクールでは講師に直接質問できたり、コミュニティで他の受講生と情報交換ができたりと、サポート体制が充実しています。
  　
• 転職・就職サポートがある
  スクールによっては、転職・就職サポートがあります。ポートフォリオの作成支援や面接対策、企業とのコネクションを活かしたサポートを提供します。
  
  AI分野での転職・就職を考えている人にとっては大きなメリットです。

AIをスクールで学ぶデメリット

• 費用が高額
  多くのスクールでは数十万円のまとまったお金が必要になり、決して安い金額ではありません。そのうえ、高額な料金を払ったとしても、必ずしも望む成果が得られるわけではありません。
  
  また、「高額な投資が無駄になるかもしれない」といった心理的プレッシャーも伴います。
  　
• スケジュールに縛られる
  スクールでは受講期間があらかじめ決まっており、期間内にすべてのカリキュラムを修了する必要があります。そのため、忙しい人にとっては時間的な負担になる可能性があります。
  
  自分のペースで学習を続けたい人には不向きな場合があります。
  　
• 途中で辞めにくい
  もしカリキュラムや講師が自分に合わないと感じても、「高いの費用を払ったのだから最後までやらなければ」という気持ちになり、途中で辞めにくい可能性があります。
  
  その結果、モチベーションが低い状態で受講を続けることになり、質の高い学習ができなくなります。
  　
• スクール依存になりやすい
  多くのスクールでは質問やサポートをすぐに受けられる環境が整っていますが、これがかえって自走力を身につける機会を減らしてしまう場合があります。ITの分野では、独力で調べる力や情報収集力が重要です。
  
  スクール依存の学習スタイルに慣れてしまうと、受講後に自分で学びを続けることが難しくなる可能性もあります。

こういう人はAIスクールがおすすめ

プログラミング未経験者

プログラミングに全く触れたことがない未経験者にとって、独学は厳しいでしょう。じっくり時間をかけられるのであれば話は別ですが、そうでなければスクールが良いと思います。

まず、未経験者が最初に直面するのは、「どこから手をつけていいかわからない」という壁です。右も左もわからない状況です。特にAIの分野は範囲が広く、プログラミング言語やライブラリ、機械学習、データ分析、統計といったことを学ぶ必要がありますが、独学だとこれらを体系立てて学ぶのが難しいものがあります。

スクールでは、プロの講師が設計したカリキュラムに沿って基礎から学ぶことができます。たとえば、Pythonの基礎から学び、そこからデータ分析や機械学習の実践へと進むという流れ。

また、学習中にわからない点が出たときも、講師がサポートするため、「つまずいたまま先に進めない」といった状況に陥ることがありません。まだ基礎知識がない方にとって、わからない箇所をその場で解決できる環境というのは大きなメリットです。

挫折しがちな人

プログラミングは多くの人が途中で挫折してしまいます。その主な原因は、学習の進め方がわからない、理解できない部分が積み重なってしまう、モチベーションが続かない、といった点にあります。

スクールは、こうした挫折のリスクを少なくできます。まず、学習カリキュラムが体系的に整備されているため、次に何を学ぶべきかが明確になっており、「迷う時間」を減らすことができます。

これにより、進捗が見えやすくなり「ここまで進んだ」というような達成感を得ながら学びを続けることができ、モチベーションを維持しやすくなります。

また、疑問点が解決できずに学習が滞るという事態も、スクールでは起こりにくいです。多くのスクールでは講師に質問できるサポート体制が整っているため、「この部分がわからないから先に進めない」といった状況になり陥らず、効率的に学びを進められます。

これらに加え、多くのスクールでは進捗を管理する仕組みや、受講生一人ひとりに合わせたサポートを提供しています。たとえば、学習が遅れている場合にはフォローアップの面談が行われたり、追加の課題や補足説明が提供されたりといったサポートがあります。

短期間でスキルを身につけたい人

短期間でAIスキルを身につけることは、簡単なことではありません。膨大な知識を限られた期間で吸収し、それを実際に活用できるレベルにまで引き上げる必要があります。

そのため、学習期間中は高い集中力と自己管理が求められるほか、肉体的・精神的な負担を感じることもあるでしょう。

それでも、最速でスキルを身につけたいと考えている人には、スクールは非常に良い選択肢となります。スクールでは、プロが設計した効率的なカリキュラムが提供されるため、学ぶべき内容が明確で無駄がありません。基礎から応用まで体系的に学べるため、独学では得られない学習効率の良さがありあます。

また、スクールでは講師やメンターが常にサポートしてくれるため、疑問点をその場で解決でき、学習を止めずに進めることができます。加えて、実践的な課題やプロジェクト型の演習を通じて、学んだスキルを即座に活用する経験を積むことができるため、スキルの定着も早まります。

スクールでの学習は効率的に学習できるように設計されていますが、それでも短期間で結果を出すのはそれなりの努力が必要です。しかし、効率よく目標に向かうためには、スクールが提供する環境やサポート体制は非常に有益でしょう。

どんなAIスクールがいいのか？

多くの人にとってスクールでAIを学ぶのは良い選択です。特にプログラミング未経験者や効率的にスキルを習得したい人にとって良い選択となります。プロが設計した体系的なカリキュラムを通じて、基礎から応用まで効率的にスキルを身につけることができるからです。

しかし、すべてのスクールが優れているわけではありません。料金は安いが質は低い、初心者でも学べるが基礎レベルまでしか身につかない、といった質の低いスクールも存在しています。

スクールを選ぶ際は以下のポイントをチェックされてください。

• サポート体制が充実しているか
• 実践的なスキルが身につくか
• 転職やキャリアアップ支援があるか
• 給付金が利用可能かどうか

サポート体制が充実しているか

スクール選びで特に重要なのが、サポート体制の充実度です。講師に質問できる環境が整っているか、学習の進捗を管理してくれる仕組みがあるかは大事です。

特に初心者の場合、わからない部分をそのままにしてしまうと、どこかのタイミングで壁にぶつかり挫折の原因になります。

そのため、質問がしやすい環境が整っているスクールや、個別サポートを行っているスクールを選ぶと安心です。また、オンラインスクールの場合、どのくらいの速度でサポートが受けられるかどうかも確認ポイントです。

実践的なスキルが身につくか

AIスキルは、単に知識を得るだけでなく、実際に使えるスキルとして身につけることが重要です。せっかくスキルを身につけても実務で役に立たないなら、時間とお金の無駄です。なので、カリキュラムに実践的な演習やプロジェクトが含まれているスクールを選びましょう。

実務で求められるスキルを学ぶためには、データセットを扱う演習や、AIモデルを構築する実践課題が含まれていることがポイントです。チーム開発のカリキュラムがあるとさらに良いです。

また、ポートフォリオの作成支援があるスクールであれば、学んだ成果を形に残せるため、転職・就職活動でも有利になります。

転職やキャリアアップ支援があるか

AIを学ぶ目的が転職やキャリアアップの場合、就職支援が充実しているスクールを選ぶことが重要です。

企業とのコネクションを活かした転職サポートや、面接対策、履歴書の書き方指導などを提供しているスクールは、学んだスキルを活かして新しいキャリアに繋げる強力なサポートを提供してくれます。

特に、AI分野での就職実績が豊富なスクールや、卒業生の声が良い評価を得ているスクールは信頼度が高いと言えます。

給付金が利用可能かどうか

AIスクールは費用が数十万と高額になりますが、多くのスクールでは給付金制度を活用できます。そうした制度を活用することで、受講料の一部を国から補助してもらえるため、実質的な自己負担額を減らすことができます。

専門実践教育訓練では受講料の最大80％、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業では受講料の最大70％が支給されます。そのため、給付金が利用可能かどうかは非常に重要です。

給付金を利用するには一定の条件を満たす必要がありますが、条件に該当する場合は積極的に活用しましょう。