・AIを勉強するのに必要なPCのスペック
・PCの選び方
・おすすめのPC
昨今、生成AIやChatGPT、機械学習、ディープラーニングなどの言葉が注目を集めており、「AIをしっかり勉強したい!」という人が増えてきています。
あなたも「AIを学びたい」と思っているのではないでしょうか?
しかしその一方で、このような悩みを抱えてませんか?
「どんなPCがあればAIを勉強できる?」
「PCのスペックはどれくらい必要?」
「買ってから後悔したくない…」
そこでこの記事では、これからAIを学ぶにあたって最適なPCを選べるように丁寧に解説していきます。
AIに必要なPCのスペックとは?
一口にAIを学びたいといっても、生成AI、機械学習、ディープラーニング、自然言語処理、言語モデルなど様々な分野があります。
どれをやりたいかによって必要となるPCのスペックは異なりますが、ディープラーニングができるPCであれば大体のことはできます。これはディープラーニングがAI分野で処理が重い部類のためです。
つまり、ディープラーニングができるPCを選べば、ほかのAI分野(機械学習や画像生成など)にも対応できるので、買って後悔する可能性が低いということです。
逆にディープラーニングができないスペックのPCだと、重い処理ができないため、PCを買い直す必要があります。パーツだけ交換することもできますが、余計にお金がかかることになります。
あらかじめスペックの高いPCを購入したほうが、結果的に出費を抑えられるのでおすすめです。
ディープラーニングができるPCのスペック
以下の表がディープラーニングができる最低限の構成と、理想的な構成です。
また、各パーツの説明を下に記載しているので、参考にされてください。
パーツ | 最低限の構成 | 理想的な構成 |
---|---|---|
GPU | RTX3060 (VRAM 8GB) | RTX5070 (VRAM 12GB) |
メモリ | 16GB | 32GB |
CPU | Core i5-12400 or Ryzen 5 5600X | Core i7-14700F or Ryzen 7 5700X |
ストレージ | NVMe SSD 500GB | NVMe SSD 1TB~2TB |
電源ユニット | 600W (80PLUS Bronze) | 750W (80PLUS Gold) |
価格 | 15~20万円 | 20~25万円 |
AIで重要なパーツ
AI学習では特に「GPU」が最も重要で高性能なGPUが必須。最低でもRTX3060、できればRTX5070以上が望ましい。
「メモリ」は最低でも16GB、できれば32GB以上。
「CPU」の優先度はGPU・メモリより低め。IntelCore i5やCore i7の第12世代以降や、Ryzen 5000番台以降がおすすめ。
「ストレージ」はHDDよりもSSDが推奨され、特に「NVMe SSD」は高速かつ安定しているため、おすすめ。
GPU 重要度:★★★★★
AIで最も重要なパーツは「GPU」です。ディープラーニングや生成AI(画像など)では、数百万~数億回の演算処理を繰り返すため、同時並行で大量の演算処理が行える「GPU」が求められます。
「GPU」の性能が不足していると、学習が遅い・途中で落ちる・モデルが読み込めないといったトラブルに繋がり、結果として勉強が進まないといった事態になりかねません。
また、「GPU」には内部に専用のメモリがあり、それをVRAMといいます。このVRAMは処理するデータを一時的にいれておくスペースです。VRAMが多ければ処理の速度が速くなったり、安定感が増すので、最低でも8GBは欲しいところです。
ディープラーニングなどの重い処理を行う場合、「GPU」は最低でもRTX3060、できればRTX5070以上が望ましいです。
メモリ 重要度:★★★★☆
AIではメモリも重要なパーツです。AI開発では、データを読み込んだり、一時的に処理中の情報を保持したり、学習の途中経過を保持したりと、あらゆるタイミングでメモリが使われます。
特に、ディープラーニングや画像生成AIを扱う場合には、数千枚の画像を一度に読み込んだり、大きなモデルを保持しながら並行して学習を進めることがあります。
そうした処理の負荷は非常に大きく、メモリ容量が不足していると、途中で処理が止まってしまったり、極端に動作が重くなるといった問題が発生します。メモリに余裕があれば、処理はスムーズに進み、途中で止まることも少なくなります。
そのためメモリの容量は十分に確保する必要があり、最低でも16GB、できれば32GB以上が望ましいです。
CPU 重要度:★★★☆☆
「CPU」はPC全体の処理を取り仕切る司令塔のような存在であり、非常に多くの場面で関わってきます。とはいえAIでは処理の大部分をGPUが行うため、「CPU」の性能はそこまで求められません。
ただ、高性能な「CPU」のほうが快適なことに間違いないため、予算に余裕がある場合は性能の良いものを選ぶと良いでしょう。
具体的には、Intel製品であればCore i5の12世代以降(Core i5-12400、Core i5-13400など)や、Core i7の12世代以降(i7-12700、i7-13700など)を、AMD製品であればZen3世代以降(Ryzen 5 5600、Ryzen 7 7700など)おすすめします。
ストレージ 重要度:★★★☆☆
AIでは、学習データやモデルを何度も読み書きするため、ストレージの速度が遅いとAIの処理も遅くなります。
ストレージにはHDDとSSDがありますが、HDDは安価で大容量ですが動作は遅く、SSDは高価で容量も少ないですが高速です。
そのため、頻繁に使うデータやプログラムをSSDに保存しておき、あまり使わないデータはHDDに保存しておくといった使い方をします。
また、SSDには「SATA SSD」と「NVMe SSD」の2種類があり、後者のほうが高価ですが高速です。高価といっても最近ではだいぶ手ごろになっているため、基本的には「NVMe SSD」を選びましょう。
SSDは最低でも500GB、できれば1TB以上が良いでしょう。
AIはMacとWindowsどちらがいい?
結論から言うと、圧倒的に『Windows』がおすすめです。その理由は大きく分けて以下の5つあります。
・NVIDIA製のGPUが使える
・拡張性の違い
・コストパフォーマンス
GPUの対応状況の違い
まず1つ目の理由は、NVIDIA製のGPUが使えることです。NVIDIA製のGPUにはCUDAという技術があり、主要なAIのライブラリでは、このCUDAとという技術を活かし効率的に処理できるようになっています。
WindowsのPCならNVIDIA製のGPUを搭載できるためCUDAの技術を利用できますが、Macの場合はApple独自のチップ(M1、M2、M3など)が搭載されているため、利用できません。
CUDAを使用せずともAI開発はできますが、非効率的であり、重い処理の場合は処理しきれない可能性があります。
拡張性の違い
2つ目は、拡張性の違いです。WindowsのデスクトップPCや一部のノートPCでは、あとからメモリやストレージ、GPUなどのパーツの交換ができるようになっていて、必要に応じてスペックを上げやすいです。
しかしMacは、買ったときの構成のまま使うことが前提で、あとからパーツを変えたり増やしたりすることはできません。そのため、「もっと重い処理をしたい」と思ったときに対応するのが難しいです。
コストパフォーマンス
3つ目の理由は、コストパフォーマンスです。iMacの場合、値段は約30万円になりますが、AIにおいてその価格に見合った性能があるかというと、そうとは言えません。
Windowsなら20万円程度で、NVIDIAのGPUを積んだ、AI開発に適したPCが手に入ります。価格と性能のコストパフォーマンスをみると、Windowsの方が圧倒的に良いです。
AIの勉強におすすめのPC
AIの勉強をするのにおすすめのPCを紹介していきますが、基本的にゲーミングPCでOKです。
最新のゲーミングPCでは高性能なGPUを積んでいますし、ゲーム中は処理が重くなる前提なので、冷却性能・電源容量・ケース内部の通気性なども考慮されています。
これは長時間のディープラーニングや画像生成など、高負荷な処理を安定して行うためには欠かせない条件です。
ほかにも、ゲーミングPCには汎用性があるという利点があります。ネットサーフィンやゲームはもちろん、動画編集、プログラミングなど様々なことに活用できます。
AI特化のPCも販売されていますが、個人が勉強のために使用するにはオーバースペックであり、汎用性も乏しいです。なにより値段が数十万~100万以上と高額なので、おすすめできません。
予算別のおすすめPC
ゲーミングPCは様々なPCショップが売り出していますが、私がおすすめするのは、『FRONTIER(フロンティア)』です。『FRONTIER』はコスパが良いうえに、30年以上の 実績があるため安心して購入できます。
また『FRONTIER』は台数の限定はありますが、よくセールを行っているため比較的安価で高性能なPCを購入できます。
以下にコスパの良いゲーミングPCを厳選して、予算別に1台ずつ紹介しています。
※タイミングによっては売り切れている場合があります。また、セール中のPCはすぐに売り切れるため、気に入ったPCがあったら早めに購入の判断をされることをお勧めします。
予算15~20万
GPU | RTX 5060 Ti (VRAM 8GB) |
メモリ | 32GB |
CPU | AMD Ryzen 7 5700X |
ストレージ | 1TB M.2 NVMe SSD Gen4 |
電源 | 600W ATX電源 80PLUS BRONZE |
税込価格 | 177,800円 |
このPCはこれからAIの学習を始めたい人にとってコスパの良い一台です。
CPUには8コア16スレッドのRyzen 7 5700Xが搭載されており、並列処理やデータの前処理など、AI学習の補助的な処理をスムーズにこなせます。
メモリが32GBあるため、Stable Diffusionや自然言語処理など、ある程度規模の大きなモデルを扱う場面でも快適に作業を進められます。
ストレージにはGen4規格のNVMe SSDが採用されており、OSやツールの起動、学習データの読み書き、モデルファイルの展開といった作業を高速で行えます。
1TBという容量は、画像生成や音声モデル、複数の仮想環境を構築する場合でも安心です。
GPUには、2025年に登場した最新のRTX 5060 Ti(VRAM 8GB)が搭載されています。このGPUは前世代の同クラスと比べて計算性能が向上しており、AI処理に必要なTensorコアやDLSS関連機能も進化しています。
CUDAコア数やメモリ帯域幅の強化によって、従来よりも効率よくAIの作業を処理できる点は魅力です。
ただし、VRAMが8GBでやや少ないため、重い処理を行う場合はメモリ不足に直面する可能性がありあます。とはいえ、入門〜中級レベルのAI学習においては、十分に実用的なスペックであることに変わりありません。
電源には600Wのブロンズ認証モデルが採用されており、この構成であれば必要十分な容量です。ただし、将来的により高性能なGPUに交換したいと考える場合には見直す必要があるかもしれません。
最新のGPU・大容量メモリ・高速ストレージを備えたこの内容でこの価格は、かなりコストパフォーマンスが良いです。
冷却や電力周りもきちんと考慮された構成で、AI学習に限らず、動画編集やゲーム開発、プログラミングにも応用の利くPCとして長く使えます。

このPCは「できるだけ予算を抑えつつAIを扱いたい」という方にとって非常に良い選択肢です!
予算20~25万
GPU | RTX 5070 |
メモリ | 32GB |
CPU | AMD Ryzen 7 5700X |
ストレージ | 1TB M.2 NVMe SSD Gen4 |
電源 | 750W ATX電源 80PLUS GOLD |
税込価格 | 215,800円 |
このPCは、これからAIの学習に本格的に取り組みたい人にとってコスパの良い一台です。
まずCPUにはAMDのRyzen 7 5700Xが採用されていますが、これは8コア16スレッドの構成で、GPUが行わない前処理やデータの読み込みといったCPU側の処理を安定して行えます。
処理能力としては現行のミドルハイクラスに相当し、AI開発以外にも動画編集やマルチタスクにも十分対応できる性能を持っています。
メモリは32GBあるため、メモリ不足でになることはまずないでしょう。
ストレージにはGen4対応のNVMe SSDが搭載されており、Gen4規格の高速転送によって、学習時のデータ読み込みや書き込みが素早く行われるため、全体の処理効率を高めてくれます。
1TBという容量は、AI用のモデルやデータセットを保管するのに十分です。
GPUには最新のRTX 5070が採用されており、前世代の上位モデルに匹敵する処理性能を持ちつつ、消費電力や発熱も抑えられており、非常にバランスが取れています。
VRAMは12GBと余裕があり、AIを学んでいくうえでで困ることはまずないでしょう。
電源には750WのGOLD認証ユニットが選ばれており、電力の安定性と変換効率の高さから、長時間の高負荷処理でも安心して使用できます。
総合的に見て、215,800円という価格でこの構成が手に入るのは、非常にコストパフォーマンスが良いといえます。用途もAIの学習だけでなく、動画編集やデザイン、プログラミング、ゲーミングなど幅広く使えるPCです。



このPCは「本格的にAIを勉強していきたい」という方にとって非常に良い選択肢です!