昨今のAIブームのなかで、あなたも「AIを勉強したい」と思っているのではないでしょうか?
AIスキルは今後需要が高まると予想されるスキルなので、先を見通した良い判断だと思います。
しかし、「AIを勉強するのにどんなPCが必要?」「どのスペックのものを購入したらいい?」と迷っているのではないでしょうか?
この記事では、AIを勉強するのに適したPCについて解説していきます。また、おすすめのPCや購入する際の費用を抑える方法についてもお伝えします。
・AIを勉強するのに必要なPC。
・おすすめのPC。
・PCを購入する費用を抑える方法。
AIの勉強に必要なPCスペック
AIの勉強で重要となるPCのパーツについて把握したい方は『AIで重要なパーツ』からお読みください。
必要なPCスペックを見たい方は『AIの勉強で必要なスペック』をご覧ください(タップするとページ下部に飛びます)。
AIで重要なパーツ
高性能なPCが要求されるのは、機械学習やディープラーニング、大規模なデータ処理などです。
その際に重要になるPCのパーツは以下のとおりです。
GPUは複雑な処理は苦手ですが、大量の計算を行えるパーツです。機械学習やディープラーニングでは膨大な量の計算を行うため、GPUに高い性能が求められます。
GPU内部に専用のメモリがあり、それをVRAMといいます。このVRAMは処理するデータを一時的にいれておく、スペースです。VRAMが多ければ、機械学習やディープラーニングの処理も早くなります。
PCの中核であり、GPUに計算の命令を出したり、ストレージからデータを取り出すなど、あらゆる処理を担います。そのため、CPUの性能がPC全体の処理速度に直結します。AIに使用する場合でなくても、重要になるパーツです。
CPUは重要なパーツですが、機械学習やディープラーニングではGPUのほうが重要なので、CPUはそれなりのものでも構いません。
メモリは、PCが計算中に一時的にデータを保存するパーツです。ストレージから直接データを読み込むと時間がかかりすぎるため、処理するデータをメモリに移してから処理を行います。ストレージより高速であるかわりに、容量は小さくなります。
ストレージは、データを長期的に保存しておくパーツです。種類はHDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)があります。HDDは安価で大容量ではありますが処理速度は遅く、SSDは高価で容量が少ない代わりに高速で処理できます。
AIでは大容量のデータセット(データの集まり)や学習モデルを扱い、これらは数GB~数TBの容量になるため、余裕を持たせる必要があります。
機械学習やディープラーニングでは大量に計算を行うため、CPUやGPUが非常に熱を持ちます。冷却が不十分だと性能が低下したり、最悪の場合パーツが損傷したりします。
空気の流れを作り冷やす空冷と、冷却液を使用し熱を吸収する水冷の2種類があります。水冷のほうが冷却の性能が高く音も静かですが、高価です。
電源ユニットは、PCのすべてのパーツに電力を供給するパーツです。性能が高いCPUやGPUを使う場合、より多くの電力を必要になる場合があります。電源の性能が悪いと動作が不安定になるリスクがあります。
特にGPUは高性能なものが求められるため、PCを選ぶ際はまずGPUをチェックしてください。
AIの勉強で必要なスペック
ゲームやアプリと違って推奨スペックというものがないので、これだけのスペックがあれば大丈夫、と言うのは難しいものがあります。そのため、ある程度の目安であるという点はご了承ください。
パーツ | スペック | |
---|---|---|
ローエンド(低) | ミドルクラス(中) | |
CPU | Intel Core i3 ~ i5 or AMD Ryzen 5 | Intel Core i5 ~ i9 or AMD Ryzen 5 ~ 9 |
メモリ | 8GB | 16GB~32GB |
GPU | 不要 | NVIDIA GTX 4060(VRAM 8GB)~ or AMD Radeon RX RX 7600 XT(VRAM 16GB) |
ストレージ | SSD 256GB~512GB | SSD 1TB + HDD 1TB |
冷却 | 空冷 | 空冷 or 簡易水冷 |
電源ユニット | 450W~550W | 650W~750W |
用途例 | 基礎学習(Pythonなど) | 機械学習やディープラーニング |
価格 | 10万円程度 | 20万円~30万円 |
実務ではもっと高性能なPCを使用しますが、安くても80万円程度になるので、個人がAIを勉強するために購入するPCとしてはオーバーです。
基礎学習やクラウド上(※)で勉強する場合は、ローエンドのPCでも十分です。※詳しくはこちらをご覧ください(ページ下部に飛びます)。
実機で基礎から機械学習、ディープラーニングなど本格的な勉強をしたいかたは、ミドルクラス以上のPCを購入することをおすすめします。
ゲーミングPCでOK おすすめPC
機械学習やディープラーニングに求められる性能と、ゲーミングPCに求められる性能は似ています。そのため、最新ゲームが問題なく動くゲーミングPCであれば、AIの勉強に不便はないでしょう。
ゲーミングPCは実店舗でも、オンラインでも購入できますが、おすすめはオンラインショップです。家まで届けてくれるので。
ゲーミングPCは様々なPCショップが売り出していますが、私がおすすめするのは、『FRONTIER(フロンティア)』です。『FRONTIER』はコスパが良いうえに、30年以上の 実績があるため安心して購入できます。
以下は『FRONTIER』のおすすめPCです。※タイミングによっては売り切れ、あるいは終売の場合がございます。
おすすめその1
やや高額(コスパは良い)ではありますが、AIの勉強を快適に行える性能です。
おすすめその2
費用を抑えたい場合は、このPCがおすすめです。
こちらのPCもAIを勉強するうえで問題はありませんが、快適度はやや落ちるでしょう。
『Mac』か『Windows』か
結論から言うと『Windows』がおすすめです。
その理由は、同程度の性能なら『Mac』より『Windows』のほうが安価だからです。資金に余裕があるならどちらでも良いですが、コスパがいいのは『Windows』です。
そのため、「使いたいアプリがMacにしか対応していない…」や「普段からMacを使っている」というような場合でないなら、『Windows』をおすすめします。
また、実務でのAI開発では、特に『Ubuntu(ウブントゥ)』というOSが使用されるケースが多いです。『Windows』では、入れ子のような感じで『Windows』の中に『Ubuntu』を入れることができます(仮想環境といいます)。『Mac』でも仮想環境は作れるのですが、『Windows』のほうが安定しています。
AIを勉強していく過程で『Ubuntu』に触れるかと思いますが、『Windows』だと比較的簡単に学習環境を整えられます。この点からも『Windows』がおすすめです。
PCの購入費用を抑える方法
購入費用を抑える方法は主に3つあります。
- 自作する
- コスパの良いショップから購入する
- 中古を購入する
自作する
PCは自作が最も安価でしょう。うまくやれば、ショップで購入するより3~4万程度安く同程度のPCが手に入ります。
しかし、PCの自作は知識が必要であり、なにかトラブルが起こっても自分で解決しなければなりません。ショップであれば、サポートや保証がついていることも多いですが、自作の場合ではほとんどが自己責任です。
また、比較的安価でPCの自作を代行している個人の方もいますが、すべてが信頼に足る人物とは限らず、リスキーです。
コスパの良いショップから購入する
同じような性能でもショップによって販売価格が異なります。わかりやすいのが、家電量販店で購入する場合とPC専門店で購入する場合の価格の違いでしょう。同じ性能でも家電量販店では割高になることが多いです。PC専門店でも同じことが言えます。
そこで私がおすすめするのは『FRONTIER(フロンティア)』です。創業30年以上の信頼できるショップであり、コスパが良いことで有名です。ほかにも様々なPCショップはありますが、コスパの良さや信頼できるかで考えると『FRONTIER』がベストです。
中古を購入する
PCの購入費用を抑えたい場合、中古のPCを購入するというのも選択に入ります。
中古PCは新品で購入するより費用が抑えられますが、故障のリスクがあります。そのため、どれくらいの保証が付くかは重要なポイントです。
また、どこから買うかも重要です。個人から購入する場合は盗品の可能性もあるうえに、保証もありません。あるとしてもその保証が守られるとは限りません。
ですので、個人からは買わず信頼できるショップで買いましょう。
私がおすすめするのは『PC WRAP』です。
1.業歴21と長いため、信頼できる。
2.業界最長の3年保証。
3.1週間以内であればどんな理由でも返品可能な「お気楽サービス」を提供。
中古PCである性質上、タイミングによっては欲しいPCがない場合がありますので、その点はご留意ください。。
AIの勉強に高いPCはいらないかも
AIを勉強するのに必ずしも高性能なPCが必要とは限りません。
『Google Colab』というGoogleが提供するサービスでは、クラウド上で開発環境を提供しています。そのため、性能の低いPCであってもネットにさえつながれば、その開発環境に利用して機械学習やディープラーニングを行えます。
プログラムのコードは自分で書いて、高い負荷のかかる処理は『Google Colab』に任せるイメージでOKです。
『Google Colab』は無料で利用できますが、有料プランにアップグレードすることで、より速いGPUへのアップグレードと、より多くのメモリへのアクセスが可能になります。要は性能が上がるということです。
料金は『Colab Pro』が1か月あたり1,179円、『Colab Pro+』が1か月あたり5,767円です(2025年1月時点)。
まずは無料で試してみて、不便があったら有料プランに加入することをおすすめします。
『Google Colab』を利用する場合、高額なPCを購入する必要性はありません。PCを「AIの勉強のためだけに購入する」「実機じゃなくてもいい」「ほかに用途はない」という場合は、『Google Colab』のようなサービスの利用をおすすめします。
そして、PCに使うはずだったお金は自己投資して、スキルアップを目指しましょう。おすすめはAIが学べるスクールです。その理由は、独学だと挫折する可能性が高いからです。
すでにプログラミングのスキルがあって開発に慣れているなら、独学でもやれると思いますが、プログラミング自体が初めて(あるいは初心者)の場合、挫折する可能性が非常に高いです。
プログラミングだけでも挫折する確率が高く、さらにAIも勉強するとなると独学は難しいでしょう。そのため、スクールで現役エンジニアに教えてもらいながら勉強するのが、現実的な選択です。
スクールの料金はだいたい20万円~30万円あたりなので、PCを買わないで浮いたお金で足りるかと思います。
なお、多くのスクールでは『Google Colab』のようなクラウド上の開発環境を使用しているため、PCを購入する必要はありません。しかし、スクールによってはPCの購入が必要になる場合があるかもしれませんので、あらかじめ確認しておきましょう。
スクールはあくまで選択肢の1つです。独学が得意という方はスクールは必要ないでしょう。